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『ターミネーター』 健全な野心

監督 ジェームズ・キャメロン 1984年 アメリカ映画 アーノルド・シュワルツェネッガー演じる殺人マシンが大暴れする楽しいアクション映画。ただ、意外にも基本プロットは「平凡な女の子が危機的な状況に直面することで成長する話」といった感じで、どちらかというと女性向きの内容になっている。 その骨格だけ取り出してしまうと『千と千尋の神隠し』と見分けがつかない。どちらの作品も物語の展開の中で彼女たちは助けられる...

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『河内山宗俊』 現代においても新しい映画であり続けている

監督 山中貞雄 1936年 この映画は日本映画の歴史にとって価値があるというだけでなく、おそらく現代の一般的な観客にとっても面白く、色々な意味で驚かせてくれる映画だろう。新人女優の原節子も新鮮だし、斬新な編集、見事なアクションシーンもある。何よりキャラクターが魅力的だ。 山中貞雄の現存作品としては他2本より知名度が低いのはなぜだろう? 明解な悲劇や喜劇にカテゴライズできないせいだろうか? 脚本も描写も冒...

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『姿三四郎』黒澤明のデビュー作・動きと悪を描く作家の登場

監督 黒澤明 1943年 この映画は何よりもまず動きがいい。また、全編表現への意欲に満ちている。現実の物理法則をはみ出してしまうのは流石にやり過ぎに見えるが、実に元気のいい新人監督だ。観念的な内容もその単純さも、若さと健全さを感じさせる。悪を描こうとしているのも特徴的だ。表現の面での動き、内容面での悪はそれまでの日本映画の流れからは出て来ない突然変異的な登場だ。 まず、動きという極めて映画的な魅力を日...

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『非常線の女』 仮構世界の魅力と軽薄さ

監督 小津 安二郎 1933年 アメリカのギャング映画のパロディのような作品。1933年当時の日本にアメリカ映画の風景、文化、キャラクターを移植している。人物表現は薄っぺらく、作品世界はでたらめに設定され、ストーリーも荒唐無稽にできている。その一方で、描写の素晴らしさだけは最後まで一貫していて、その中には後年の小津作品には見られないカメラと被写体の動きの面白さもある。一級品の顔を持ったB級映画といったところ...

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『マイノリティ・リポート』 多様な要素の折衷

監督 スティーブン・スピルバーグ 2002年 アメリカ映画 彩度を落としコントラストを強めた映像が印象的。プリコグの見るビジョン、雑誌や壁面、窓の反射など至る所に映し出される映像、過去の立体メモリー、スクリーンに映る映画…そしてそれらを見る目、眼球など、様々な見られるものと見るものが頻出するのも興味深い。ただ、それらは映画の内容との意味的な連関はあまりない。 この映画の見どころはSF的な世界でのアクション...

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『ブレードランナー』 諸要素から構成された世界観の魅力

監督 リドリー・スコット 1982年 アメリカ映画 発展した未来都市に人類の衰退を重ね合わせた世界観、その魅力がこの映画では決定的だ。世界の黄昏のような時代、退廃した都市、現実に埋没した平凡な人々。全ての要素に先がなく、滅びゆくものに特有の美を備えている。その暗く陰鬱な未来イメージは時間の流れを取り込み、観客の今を感じさせる点で数あるSF映画の中でも傑出している。 主人公の設定も控えめで、決してその世界...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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