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『一番美しく』決して出来はよくないが正直で初々しい作品

脚本/監督:黒澤明 出演:矢口陽子・入江たか子 1944年 矢口陽子演じる渡辺ツルが踏切で自分のミスに気づく瞬間や、調整途中のレンズを横に置いたまま新しいレンズの調整に入ってしまう様子がフラッシュ・バックで挿入される。陳腐ではあっても分かり易い表現で、ストーリーが誰にも誤解の余地のない明瞭さで観客に伝えられる。どうやら黒澤としては前作『姿三四郎』に引き続き、老若男女を対象とした娯楽映画のつもりだったらしい...

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『まごころ』人と視点の移動

監督/脚本:成瀬巳喜男 出演:入江たか子・加藤照子・悦ちゃん 1939年 人の移動を描いた映画だ。常に動き続ける人と視点とがこの映画の大きな魅力になっている。 冒頭から「大日本愛國婦人會」の人々がゾロゾロと列をなして移動していく。カメラがその中の婦人二人を追う。と、橋の上で彼女たちが女の子二人組と行き交う。すると今度は女の子たちを追って視点は逆向きに移動していく。もう、人やカメラの動きに快感が伴っている...

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『麗猫伝説』映画の嘘

監督:大林宣彦 出演:入江たか子・風吹ジュン 1983年に火曜サスペンス劇場の一編として作られたテレビ映画で、1998年に劇場公開されている。完成度は極めて低いが、虚構性の露わなディティールや短い1ショットの美しさを備えた大林宣彦らしい一作だ。 戦前の大女優で戦後は化け猫女優として知られた入江たか子が出演していて、作品の内容も彼女へのオマージュとなっている。この映画の描く世界では、映画自体は現実の世界同様、...

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『時をかける少女(1983年)』 拙さが際立たせる手作りの美

監督:大林宣彦 出演:原田知世 1983年 全体が破綻していても美しい1カットの魅力が勝る映画もあるかもしれない。『時をかける少女』はそういう映画だ。 この映画を見始めると誰もがすぐに幾つかの欠点に気づくだろう。冒頭から役者の演技がひどく、台詞は棒読み、特殊効果も稚拙で、最初のシーンだけで観客にはこれがいかにひどい映画か分るはずだ。中学生が作ったのだろうかと真剣に疑う場面が頻出する。しかしそれらの場面...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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