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『ゲームの規則』重厚な内容の軽快な喜劇映画

監督 ジャン・ルノワール 1939年 フランス映画『ゲームの規則』という表題は非常にアイロニカルだ。この映画は登場人物の言葉と行動がルールを逸脱していく描写を積み重ねていき、それが上流階級の、とか、この映画の、という限定に留まらず、我々観客を含めた全ての人間が生きているところの ”ゲーム” そのものの規則を逆説的に明らかにしていく。 そしてその規則を外れたところにこそ、人間の本性があるのだと語りかける……。...

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『戦艦ポチョムキン』群衆シーンと「オデッサの階段」

監督 セルゲイ・エイゼンシュテイン 1925年 ソビエト映画 モンタージュ理論の実践とその成果によって映画史に確固とした地位を占める映画。エイゼンシュテインの編集はショットとショットの繋がりに個々のショットにはない新たな意味を生み出そうとするもので、リアリティを醸成するグリフィスの編集とは好対照となっている。いずれの手法も映画にとって画期的なもので、今日のほぼ全ての映画が編集の面で彼らの成果の上に建っ...

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『人情紙風船』 高い完成度の裏側にある山中の未完成さ

監督 山中貞雄 1937年 江戸時代、江戸の町を舞台に当時の社会や経済などの制約下に人間が描かれる。その世界観は基本的に『丹下左膳余話 百万両の壺』と同じだ。違うのは『人情紙風船』が悲劇を志向している…というよりは意図的な喜劇を目指していないことだ。 『百万両の壺』では逆説的なカット繋ぎやあからさまな偶然によって妻が源三郎を見つけたりと喜劇的な部分の多くが作為的だった。妻を幸せな気持ちにさせる源三郎と左...

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『シン・ゴジラ』存在感を取り戻したゴジラと「今」のリアリズム

監督 庵野秀明 2016年 『シン・ゴジラ』はゴジラを作中の人々にとって未知の生物として描き、観客が実際に初めて見る形態で登場させて徐々にゴジラへと変態させる。これによって何度も映画化されすっかり使い古されていたゴジラのキャラクターを刷新し、再び緊迫感を持った物語を可能にしている。 ゴジラへの感情移入や陳腐化し易い人間のドラマを排除しているのもこの映画の強みだ。 そして映画は自信に満ちている。リアリテ...

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『生きものの記録』フレーム内にひしめき合う演技の合奏

監督 黒澤明 1955年 群像劇が素晴らしい。それを生み出す人物の配置、キャラクター、その描写、中でも主人公である中島のキャラクター造形、三船敏郎の演技は特にいい。不器用な愛情、独善性、旺盛な生命力等々、実によく描かれていて魅力的だ。このキャラクターを見られるだけでも価値のある映画。 実際これは彼の映画と言ってもいいだろう。あらかじめ用意された物語などなくても彼の思考、言動を追っていくことでそれがその...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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