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『蜘蛛巣城』 完成された世界と物象化された人間

監督 黒澤明 1957年 『蜘蛛巣城』は美しく、完成された映画だ。そしてその作品の美的な完全さがそのまま自由の無さの表現となっているのが特徴的だ。完全であるということは即ち美であり、自由の存在する余地がないということでもある…少なくとも映画を見ている間は観客にそう信じさせずにはおかない。 構成要素は厳格にその役割を規定され、すべての映像、すべての時間が統制されている。現在で過去を挟み込む構成と、予言が有...

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『現金に体を張れ』 鮮明で截然とした表現

監督 スタンリー・キューブリック 1956年 アメリカ映画 50年代の犯罪映画でストーリーテリングに面白さがある。スタンリー・キューブリックの作品だが、『2001年宇宙の旅』と同じ監督とは思えないほど物語の比重が大きい。映像はコントラストがはっきりしている。被写体の輪郭が明確で、背景の暗い部分は真黒だ。編集においても物語に不要な描写は徹底的に刈り取られ、個々のカットは機能的で無駄がない。キビキビとしていて明...

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『ゴジラ(1954)』強烈なキャラクターの確立と丁寧な演出

監督 本多猪四郎 1954年 ゴジラの映画であり、いわゆる怪獣映画だ。観客にとっては見たことはなくとも「ああ、あのゴジラね」と見る前から何となく分った気になるものだが、この映画はとてもよくできていて今見ても面白い。勿論1954年に見るインパクトには及ばないが。 まず作中の人物たちにとってゴジラを未知の存在として描いていくのがいい。観客も作品の展開に合わせて彼らとともにこの作品世界におけるゴジラを徐々に知っ...

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『生きものの記録』フレーム内にひしめき合う演技の合奏

監督 黒澤明 1955年 群像劇が素晴らしい。それを生み出す人物の配置、キャラクター、その描写、中でも主人公である中島のキャラクター造形、三船敏郎の演技は特にいい。不器用な愛情、独善性、旺盛な生命力等々、実によく描かれていて魅力的だ。このキャラクターを見られるだけでも価値のある映画。 実際これは彼の映画と言ってもいいだろう。あらかじめ用意された物語などなくても彼の思考、言動を追っていくことでそれがその...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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