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『ファンタスティック・プラネット』独創的なSFアニメ

監督:ルネ・ラルー 原作:ステファン・ウル 美術:ローラン・トポール 仏・チェコスロバキア 1973年 不思議な世界観が気持ち悪くも魅力的な映画。不気味でシュールな設定、それに形を与えた美術、奇妙でありながら現実的な物語、とにかく何もかもが独創的だ。 映画を見始めるとまず、ペン画のようなタッチを残した手描きの絵がそのまま動くのに驚かされる。どの作品を見ても質感が一様な日本やアメリカのアニメに慣れた目には...

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『ジキル博士とハイド氏 (1932)』優れた人物設定と多様な描写

監督:ルーベン・マムーリアン 脚本:パーシー・ヒース/サミュエル・ホッフェンシュタイン 出演:フレデリック・マーチ 1932年 アメリカ映画 公開時、もっとも注目され評価されたのは同一人物によるジキルとハイドの演技、特撮を使った変身描写などだったようだが、今日ではそれらが最も古びた要素になってしまっている。真正面からアップで捉えた懸命な顔の演技は少しコミカルに見え、特撮は陳腐で特に印象的なものではなくなっ...

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『月世界旅行』虚構の魅力

ジョルジュ・メリエス 1902年 フランス映画 14分 史上初のSF映画として有名な作品。人の顔をした月に弾丸が突き刺さっている画は、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。映画という極めて現実的な表現媒体で、自由奔放な夢物語を具象化したことが画期的だ。 キネトスコープの頃から映画に内在していた魅力のうち、リュミエール兄弟が映画の迫真性と記録性の魅力を知らしめたのだとしたら、ジョルジュ・メリエスは映画のもう...

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『散歩する侵略者』主題と表現の齟齬

監督:黒沢清 出演:長澤まさみ・長谷川博己 2017年 概念を奪うというアイデアが興味深い。なのに、この映画はそれを掘り下げてくれない。宇宙人たちは「概念を奪う」と言いながら概念を奪わず、家族への親近感や所有欲、自他の区別、敵意、愛などといった感情や認識能力そのものを奪う。その上なぜか奪い取った愛には自分が影響を受けてしまうらしい。奪い取るのが愛の概念ならそんなことは起こらなかっただろう。 これも矛盾に...

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『トゥルーマン・ショー』 世界は舞台、人は役者

監督 ピーター・ウィアー 1998年 アメリカ映画 閉じた虚構の世界に生きる男が自由と他者を求めて現実の世界を目指す姿を描いた映画だ。その物語自体とても面白い。ピーター・ウィアーの持ち味である叙情性や湿度の高い映像の美しさもそれをより高めている。そこにさらに他者の人生を娯楽の手段とする人々などブラックユーモアとしての側面、虚構の世界やその現実との関係を描いたメタ・フィクション的な性質もある。それぞれの...

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『レディ・プレイヤー1』 夢想する力への祝福

監督 スティーブン・スピルバーグ 2018年 アメリカ映画 『レディ・プレイヤー1』は人の夢想とそれによって創造された世界への祝福だ。たとえその発端と実態が現実からの逃避であったとしてもそれはもう関係ない。なぜならイマジネーションはそれ自体として素晴らしいものなのだから…。『レディ・プレイヤー1』はそういう映画だ。 映画はファーストシーンで手短に主人公と彼の生きる環境を紹介すると、彼自身のナレーションに...

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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 商品としての映画

監督 J・J・エイブラムス 2015年 アメリカ映画 美術や脚本などほぼすべての点で旧3部作を踏襲していて、以前の作品にあった魅力を再現することに最大限心を砕いている。ファンを大きく落胆させることはないだろう。主人公を女性にして新たな観客を獲得するための努力も見える。ただそのために新鮮さや意外性は犠牲になっている。創作というよりは商品と言った方が相応しい映画だ。 ダースベイダーのような全身黒づくめの悪役が...

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『トータル・リコール』 趣味の悪さと知的な面白さ

監督 ポール・バーホーベン 1990年 アメリカ映画 大がかりなSF映画。ちょっと悪趣味なところがあるが、そこさえ気にならなければよくできた面白い娯楽作品だ。原作者は『ブレードランナー』や『マイノリティ・リポート』と同じフィリップ・K・ディックで、この3本の中では現実と虚構を等価にしてしまうような彼の持ち味が一番ストレートに再現されている。原作にあった詩情やユーモアは消えて、かなり直接的、どぎついと言って...

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『ターミネーター』 健全な野心

監督 ジェームズ・キャメロン 1984年 アメリカ映画 アーノルド・シュワルツェネッガー演じる殺人マシンが大暴れする楽しいアクション映画。ただ、意外にも基本プロットは「平凡な女の子が危機的な状況に直面することで成長する話」といった感じで、どちらかというと女性向きの内容になっている。 その骨格だけ取り出してしまうと『千と千尋の神隠し』と見分けがつかない。どちらの作品も物語の展開の中で彼女たちは助けられる...

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『エリミネーターズ』 B級映画のB級映画らしい面白さ

1986年 アメリカ映画 低予算で作られているSF映画で、びっくりするほど出来が悪い。しかし、つまらないかというとそうとも限らない。あからさまに不適切な処理が逆に面白く、ツボに嵌れば爆笑できる。 いきなり描かれる飛行機事故となぜかローマ時代の兵士と爆発。その唐突で荒唐無稽な展開、半端な描写、安っぽい特撮と派手な音楽。見紛うことないB級映画だ。普通なら脚本、撮影、造形等々いずれかの部門が格好をつけて少しは...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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