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『嫁ぐ日まで』技巧が支える親しみ易さ

監督/脚本:島津保次郎 出演:原節子・矢口陽子・杉村春子 1940年 平凡な日常を新鮮で魅力的なものに刷新してしまう島津の資質が十二分に発揮された一本。内容、表現ともに新しい試みが見られないのは少し寂しいが、そのかわりに、ホームグラウンドで羽を伸ばした、寛いだ楽しさがある。 内容的には当時の結婚や家族関係が主に描かれる。登場人物は皆、自分の感情や将来設計より家の存続とその中で果たすべき役割を優先して考え...

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『愛より愛へ』他愛なさを称賛させずにおかない

監督 島津保次郎 脚本 大庭秀雄 出演 高杉早苗 1938年 古い映画だが現代においても誰もが気軽に楽しめる良質の娯楽映画だ。 物語は戦前の家制度を背景に階級の違う若い男女のカップルを描く。定石通りに破局や自殺を仄めかす描写を挿入しつつ展開し、観客にドラマティックな悲劇を予感させる。ところが、最後になってそれまでの深刻な展開を台無しにして唐突なハッピーエンドに収束してしまう。もちろん観客は拍子抜けだ。し...

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『隣の八重ちゃん』 日常を磨きあげ輝かせた日本映画の傑作

監督:島津保次郎 出演:逢初夢子 1934年 島津保次郎が原作・脚本・監督の3役をこなしている。小市民映画の傑作として同時代から高く評価されていて当時のキネマ旬報ベストテンで2位に入っている。1995年のオールタイムベストでは100位、1999年には選外と順位を下げているが、単に知名度が下がっただけだろう。時代に評価が左右されるような映画ではない。 黒澤明は自選100本に選んでいるし、批評家の佐藤忠男が2012年にこう語っ...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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