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キネトスコープと現代の映画鑑賞

 キネトスコープは1891年にエジソンが発明した映画を上映・鑑賞するための装置。 一人で立ったまま上から箱の中を覗き見る形態で、現在の映画に比較すると非常に個人的な鑑賞媒体だ。長時間の鑑賞には無理があるし、そもそも長時間映写できる仕組みでもない。何よりシネマトグラフが初期の観客に与えた現実と見紛うほどの衝撃がない。覗き窓から見る小さな映像は明らかに現実のスケール感を欠いていて、印象としても別の現実を目...

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『バレット・バレエ』特異な青春映画

監督:塚本晋也 出演:真野きりな・中村達也 2000年 編集によって物語と映像と音を融合させた強靭な表現、それが喚起する名指すことのできない情念。塚本晋也の魅力はここでも健在だ。 拳銃自殺した恋人、銃を求めて彷徨う夜の街、銃を売ってくれるらしいヤクザ、手製の拳銃を作るために赴く町工場……全ての描写が主人公ゴウダの生々しい情念を乗せて拳銃に凝集していく。 しかし、この映画はその情念を爆発させることがない。激...

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『ベティ・ブープ:ベティの笑へ笑へ』現実への哄笑

監督 デイブ・フライシャー アメリカ映画 1934年 ( 原題『BETTY BOOP HA! HA! HA!』) 同年の日本映画『隣の八重ちゃん』に登場人物がこの映画を見る場面が出てくる。また、筒井康隆はこの映画に触発されて『虚航船団』を書いたそうだ。 『ベティ・ブープ』シリーズの一本で7分程の小品。 実写とアニメが合成され、それぞれが表す現実の世界と虚構の世界を登場人物たちが何度も越境し、最後には虚構が現実を侵食してしまう。...

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『カメラを止めるな!』「ポン!」と視点の映画

監督/脚本/編集:上田慎一郎 原案:劇団PEACE「GHOST IN THE BOX!」 2018年 この映画は構成が非常に面白い。最初「あぁ、この程度なんだな」と安易な予断を誘い観客を油断させておいて、後半加速度的に魅力を倍増させてその想定を軽々と飛び越えていく。 序盤は題材、ストーリー、演技など何もかもが陳腐極まりないが、時間と空間に嘘がない1シーン1カットの威力で観客の関心を辛うじて繋ぎ止め続ける。  物語に回収されない不...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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