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『ある犯罪の物語』特殊な表現とドラマの獲得

監督 フェルディナン・ゼッカ 1901年 フランス映画 5分14秒 ある男が強盗殺人をして、警察に捕まり、絞首刑に処せられる。その中に彼の回想シーンが出てくるのだが、その表現方法が現代の映画とは異なっていて、とても面白い。  現在と過去が同時に存在し、  部屋の配置がなぜか反転する不思議な描写 まず、彼と看守らしい人物が独房で寝ている様子が描かれ、その同一フレームの中にもう一つの小さなフレームが突然現れ、...

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『月世界旅行』虚構の魅力

ジョルジュ・メリエス 1902年 フランス映画 14分 史上初のSF映画として有名な作品。人の顔をした月に弾丸が突き刺さっている画は、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。映画という極めて現実的な表現媒体で、自由奔放な夢物語を具象化したことが画期的だ。 キネトスコープの頃から映画に内在していた魅力のうち、リュミエール兄弟が映画の迫真性と記録性の魅力を知らしめたのだとしたら、ジョルジュ・メリエスは映画のもう...

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『火事だ!』虚構のリアリズム (英題: Fire!)

監督 ジェームズ・ウィリアムソン 1901年 イギリス映画 4分40秒 ある建物に火事が起こり、それを見つけた警官が消防署に知らせ、住人の危機と消防隊の活躍があり、最後に住人が無事救出される。 非常に単純だが、複数の異なるシーンを連結することによって起承転結、つまり物語を獲得している。映画が物語を語り始めた時代のオリジナル・ストーリーだ。 ただ、その最初期の物語はあまりに単調すぎて、現代においては退屈な映...

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『逆噴射家族』真正の喜劇

監督/脚本: 石井聰互 原案/脚本: 小林よしのり 脚本: 神波史男 1984年 非常識で不謹慎極まりない映画。表題は死傷者を出した痛ましい航空機事故のパロディになっていて、夫と妻、親と子が殺し合い、祖父は孫娘を強姦しようとする……無茶苦茶な映画だ。しかし、だからこそ道徳の範囲内に収束してしまう通常のコメディ映画とは比較にならない面白さがある。 既存の良識と価値観に揺さぶりをかけるのが、喜劇の効用の一つだとすれ...

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『トーキング・ヘッド』映画のパロディ

監督 押井 守 1992年 押井守はタルコフスキーが好きだそうだが、実際に彼の撮る映画は、深刻で濃密なタルコフスキーより、どちらかと言うと軽薄で気まぐれな鈴木清順に似ている。好きな映画と作る映画が乖離しているのが面白い。 この映画もリアリティ皆無の不条理劇で、常識的な感性を持った観客にはそっぽを向かれてしまいそうな作風だ。  唐突な歌唱場面。後ろには何故か『月世界旅行』の月 アニメ映画の納期1ヶ月前に監...

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『殺しの烙印』特異な感性とキッチュ

監督 鈴木清順 1967年『殺しの烙印』は一般的にはとんでもない駄作と見做されている一方、一部では熱狂的に支持されてもいる。なぜそんなことになっているかは、実際に見てみれば一目瞭然、とても ”変な” 映画なのだ。作品世界や人物の設定は荒唐無稽で、物語も破綻しているのだが、被写体の造形、フレーミングと構図、照明の作り出す光と影の演出などが非常に魅力的でもある。当時の日活の社長はこの映画を見て「わからない映画...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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