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『グロリア』活劇とリアリズム

監督:ジョン・カサヴェテス 出演:ジーナ・ローランズ 1980年 アメリカ映画 とにかくグロリアがカッコいい。小さな少年を守ってギャング相手に拳銃をぶっ放し、敵の事務所に単身乗り込んで交渉する。更にそんな彼女を突き動かしているのは無償の善意ときている。正義の味方だ。普通なら白々しい絵空事になってしまうこと請け合いだが、その映画の嘘にジーナ・ローランズの顔と身体、演技が強烈な存在感を与え、ジョン・カサヴェ...

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『チャイナタウン』観客の感性を全ての点で上回るミステリー映画の傑作

監督:ロマン・ポランスキー 脚本:ロバート・タウン 1974年 アメリカ映画 観客が理解するより先に展開していく物語、リアルで充実した描写、一見何気ない場面の連続でありつつ後にそのすべてが意味を持ってくる緊密な編集など、構成要素のどれもが優れていて、非常に完成度の高い映画だ。勿論、決して紳士には見えないジャック・ニコルソンや大柄でいかにも海千山千のジョン・ヒューストン、儚げで退廃的なフェイ・ダナウェイな...

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『吸血鬼』(1967) 曖昧なリアリズム

監督 ロマン・ポランスキー 出演 シャロン・テート 1967年 アメリカ・イギリス ホラーでありコメディでもある映画。オーソドックスな吸血鬼映画の筋や設定をそのままなぞりつつも、中身はドタバタコメディだ。 面白い描写があり、コメディ部分もそれなり楽しいのだが、作品としては平凡な出来に留まっているように見える。描写はリアリズムにもロマンティシズムにも振り切れないまま、作品の性質はシリアスとコメディの間を彷...

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『ローズマリーの赤ちゃん』コミカルで怖ろしい恐怖映画

監督 ロマン・ポランスキー 1968年 アメリカ映画 一人の女性が日常生活の中で徐々にサタニストたちに包囲されていき、悪魔の子を身籠らされる──という非常に怖い映画なのだが、なぜかホラーらしからぬ、おしゃれで楽しいコメディ映画のような要素も紛れ込んでいたりする。 ニューヨークの街とダコタ・ハウスを捉えた映像、崩した筆記体のクレジット、ミア・ファローのスキャットなどで構成されたオープニングは、洒落た恋愛映...

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『ジキル博士とハイド氏 (1932)』優れた人物設定と多様な描写

監督:ルーベン・マムーリアン 脚本:パーシー・ヒース/サミュエル・ホッフェンシュタイン 出演:フレデリック・マーチ 1932年 アメリカ映画 公開時、もっとも注目され評価されたのは同一人物によるジキルとハイドの演技、特撮を使った変身描写などだったようだが、今日ではそれらが最も古びた要素になってしまっている。真正面からアップで捉えた懸命な顔の演技は少しコミカルに見え、特撮は陳腐で特に印象的なものではなくなっ...

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『狂へる悪魔』描写には魅力もあるが…

監督:ジョン・S・ロバートソン 出演:ジョン・バリモア 原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン 1920年 アメリカ映画 スティーブンソンの『ジキル博士とハイド氏』の映画化作品。原作小説は1886年の出版で、発表当初から評判がよく、翌年にはアメリカで舞台化されている。映画は1908年以来、今日まで数え切れないほど作られ続けていて、ある英文学者によるとざっと70本はあるそうだ。その中で比較的評価の高いのがフレデリッ...

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『ワイルド・アット・ハート』映画を笑うための映画

監督/脚本 デヴィッド・リンチ 1990年 アメリカ映画 タフな男のワイルドな生き様を描いた痛快アクション・バイオレンス巨編であり、感動の純愛ラブストーリーだ。が、そのあまりにストレート過ぎる表現はその種の映画のバカバカしさを観客に否応なく自覚させて爆笑を引き起こしてしまう。つまり、これはコメディ映画なのだ。B級映画のでたらめな表現を大真面目に模倣し、おしゃれなフィルムノワール(フランス語でこう呼ぶと作...

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『マルホランド・ドライブ』解釈と意味作用

監督 デヴィッド・リンチ 2001年 アメリカ映画 この映画は様々な謎が提示されミステリーのように展開していくが、謎そのものは決して解き明かされない。つまり推理モノのように最後にすべてのピースが当てはまり全体の絵が完成されることでスッキリしたいという人には向いていない。しかし、それとは別の、もっと幻惑的な面白さを与えてくれる。 もしかしたらデヴィッド・リンチはミステリー作品に物足りなさを感じたことがあ...

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ぱこぺら

Author:ぱこぺら
批評なので基本的にネタバレです。できるだけ下記の方針で書きます

・作品外の周辺情報を考慮せず作品内の表現に基づいて評価する
・歴史的な読み、評価から離れて現在の視点から論じる

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